色んなタイプ

同業者にも色々なタイプの人がいるけれど、私が思うに麻酔とは、手術を安全に行い、術後の痛みをなるべく少なくすることであると思う。安全と一言で言っても、手術自体が危険な行為だから、安全に終わらせるのは大変な事だ。上手くいって当たり前ではけしてない。
華麗に挿管しましたとか、心外の導入を15分で終えましたとか、そんなことはあまり重要ではない(気持ち良いだろうけど)。たとえば覚めの悪い患者をどうするか。忍耐強く待つか、挿管のままか、その判断の方がプレッシャーが大きいし高度であると思う。
 
 
患者さんにも色んなタイプの人がいる。自分や家族の病気でつらくて悲しくて、何で自分がこんな目にと思う気持ちはとてもわかるし気の毒だ。だけど、つらくて悲しくて、心をハリネズミみたいにしてしまうと、触ろうとした人は怪我をしてしまう。そうしたら分厚い手袋をかけたくなる。距離はどんどん遠くなる。