仕事

働きマン(1) (モーニング KC)

働きマン(1) (モーニング KC)

雑誌編集者である主人公を中心に、働くとは何かを考えるストーリーです。
あまりにも打ち込みすぎてて、一所懸命すぎて、胸がつまります。
でも、命をすり減らして彼女が作っている雑誌というものは、別に現実の世の中に必須ではないし、崇高なもんでもないし、9割以上はしょうもない内容である事が、全体に無常観を与えています。
なぜ、我々は仕事をするのか?ただ食べていくためというだけでは説明しづらいです。
自分に近い立場しか想像できないけど、医師が「人の命を救いたいから」なんてことを理由にやっていたら、多分すぐに行き詰るでしょう。人の命はそうたやすいものではなく、もともと不老不死でもなし、たとえ命を救ってもそれで解決でないことも多々あります。
なぜ働くのかという質問は、なぜ生きるのかと同義に聞こえます。
学生のころ、授業で「生命を定義しなさい」という課題がありました。私は、その物体を通して物質や情報の流れがあることだと考えました。社会になぞらえると、人から何かを受け取って、人に何かを返すことであり、多くの人はそれを「働くこと」で実現しているのではないでしょうか。
もちろん仕事とは社会に出て行うものだけではなく、家族の支えとなるのも立派な仕事だし、子供や病人や色んな事情で働けない人など、長いスパンで考えなくてはいけない場合もあります。社会に直接つながる種類の仕事は、その機会や能力のある人がその時々で担当すればいいと思います。
高校時代のバイブル
新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)

新装版 竜馬がゆく (1) (文春文庫)

人の命は有限だけど、どこかのお寺にあるずっと絶やさない炎のように、仕事は後世に受け継がれてゆく。そこで俺は死なぬ。死なぬような生き方をしたい
まあフィクションがだいぶ入っている小説だけど、なんだかんだ言って忘れられない竜馬のセリフ。
(実際彼の仕事がなかったら、維新もなく、日本は欧米列強の草刈場にされてさんざんなことになっていた可能性が極めて高く、自分も生まれていなかっただろうと思います。)
・・・ぐるぐる考えたけど、結局私には、良くわからない。そんなに崇高でもない。仕事だから、仕事に行く。楽しい時もあればつらい時もあるけど、行くもんであると思っています。