[読書]自閉症だった私へ

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

これは…、すごい本だと思う。ただしやはりかなり難解で、まだ著者の世界をよく理解できてない気がする。何回か繰り返して読んでみよう。
自閉症の人は過去の記憶を鮮やかに持ち続けるとどこかで読んだが、納得させられた。3歳のころの出来事・そのときの自分の感じ方をここまで覚えてられるものなのだろうか。
周囲に浮かぶ綺麗な光の粒、触れられると「痛い」と感じること、暴力より親切に心を傷つけられること、人を愛したら自分から逃げ出さなければいけないこと、独特な世界を持ちつつも、そこから出て人とコミュニケーションしようと努力し続ける姿… 全てに感銘を受けた。
大人になるまでの環境がすさまじい。全く理解もサポートも受けられずに育ったなんて… 何しろ自閉症と言う答えにすら、自分自身でたどり着かなければならなかったのだ。彼女のこの本のおかげで、どれほど多くの同じような子や家族が救われたことだろうか。