イニュエンドウ

Innuendo

1991年のQUEEN最後のアルバム(その後でたのはベストのみ)。
初期のQUEENはアルバム全体をひとつのテーマで統一し、全体に物語性を持たせる事が多かった。ヒットメーカーとなってからはそうした雰囲気は薄れていったが、このアルバムは再び原点に戻った感がある。このアルバムのテーマは『死』だろうなと思う。大変完成度の高いアルバムとして、ファンにも評価が高い。
 
アルバムは前作から半年という異様な速さで製作された。このアルバムが出たのが2月、フレディ・マーキュリーエイズで亡くなるのが同年11月。それだけ病勢は抜き差しならなかったのだろう。

最後の「THE SHOW MUST GO ON」を聞くと必ず涙が出そうになる。フレディの歌詞が痛々しい。
The show must go on, the show must go on
Inside my heart is breaking, My make-up may be flaking
But my smile still stays on.
(ショウを続けなければ・・心は壊れ、メーキャップは剥げ落ちても、笑顔は消えない)
最後はこの歌詞で終わる。
I have to find the will to carry on
on with the- with the show- the show must go on
(続けていく意思が欲しい −このショウを)
 
この頃のフレディはげっそりとやせ細り、写真を見ると往年とは別人のようである。歌声も非常に細く薄っぺらい。We are the championの頃の力強い声とは全く違う。しかし、音程は絶妙にコントロールされており、振り絞るような歌声が逆に心を打つ。