指輪

指輪をしていて気付いた事、思った事。何しろ指輪をつけてすごすなんて生まれて初めてだから色々発見がある。
人の体はむくんだりすっきりしたりを忙しく繰り返している。ゆるゆるになったり、きつくて抜けなくなったり。
指に小さな美しいものがあると、とても新鮮な気持ちになる。手が荒れているのが気になってクリームを付ける。髪も乱れているのが気になる。疲れた顔はしていないか?良い表情をしているだろうか? 指輪は不潔になりやすいので、手洗いやアルコール噴霧の回数がかなり増えた。指輪がくれる緊張感。
そして一緒にそろえた指輪を持っている人がもう一人いる。とても安心感を感じる。
2年前、相方と職場が離れてしまった時に、ホワイトゴールドの飾りのないネックレスを買ってもらった。ほぼ毎日身に着けていた。麻酔がうまくいかなくて、一人きりで怖くて、どうしたらいいか考えながら無意識に指でネックレスを確認していた。
だからアクセサリーをつけているのは初めてのことではないが、気持ちはなんだか違うのだ。落ち着いているというかなんというか。
モノはモノなので、絶対に必要なものではない。誰もがつけるべきものでもないし、なくしたりよごれたら買い換えればよい。そのうちつけていることも、無くしたことも気付かないほど、存在を忘れるかもしれない。だけど今の新鮮な気持ちはたまに思い出したいな。