父のバカ話

私の父はバカ話がうまい。ふと思い出した昔の話。
あれは私が学生だった頃、父親の手を何気なく見ていたら、人差し指に大きなU字型の古傷を見つけた。なんで怪我をしたのかとたずねると、
「昔、ナタで切り込んじゃったんだよ」
と、聞くだに痛そうな事を言う。しかしその後にやりと笑い、
「いやあ痛かったよ・・・ (傷を指差しつつ)ナ・・・ナタでココ、ナタでココ!」
そのころナタデココがブームだったなあ。