今日の手術は、実習中の医学生が一緒にオペに入っていた。オペも終盤に差し掛かり、リラックスした空気が流れ始めた。
指導医がそれまで声をかけなかった学生君に初めて、「君は何科志望なの?」とたずねた。なかなか人の良いどすこい顔の学生君が、ちょっと嬉しそうに「心臓関係の方に行きたいんです、外科でも内科でも」と言った。
執刀医「あ〜?ダメダメ!君、循環器の顔じゃないから!」と言い放ち、あっけにとられるギャラリー。
「循環器の、内科でも外科でも、医局に行って、自分と同じ顔がいるか探してごらん!いないから!」と続く。どうやらこの先生独自の理論らしく、「自分と似た顔の多い科へ行け」と言う事らしい。
私の知っている範囲でよく考えてみると、確かにそうかもしれない。

  • 循環器内科 とにかく才気が顔に出ている、ちょっと油断ならない感じ
  • 循環器外科 なぜか外人のように彫りの深い人が多い、自信満々な顔

うーん、耳鼻科は割とイケメンな人が多いかも、小児科の人はほっぺたがふっくらとした福顔の人が多い・・。整形外科はとにかくがっしりしている。
「自分の身の丈にあったところへ行け」と言う事なのだろうか。それにしては「じゃあ僕は何科向きなのでしょうか・・・」とおずおずと尋ねる学生君に、「知らないよ、そんな事自分で考えなよ」とにっこり言い放つその人は、顔と言うより性格が外科っぽい。