指を使うか使わないか

眠らない先生の記事にTBです。
http://d.hatena.ne.jp/anesthesia2003/20060713
私はずっとクロスフィンガー派でした。というか全ての手技は基本が大事と思います。LMAも、ペタンコにして人差し指でクラシカルに挿入します。
今の病院では、誰も一切口の中に指を入れません。右手を患者さんの頭の下にいれ、後屈させて口が自然に開いたところに喉頭鏡を入れています。クロスフィンガーしてから頭を後屈ではないので、ツーアクションではありませんが。
なんかかっこいいけど、その方法でローテーターを教育するのはどうかな? クロスフィンガーだとまず口の中を良く観察できるし、眠らない先生のおっしゃるように、人差し指に少し力を入れれば自然に後屈するし。
なーんて思って、「私は流されないぞ!」と、2006年、クロスフィンガーの誓いらしきものを決意し、さてある日。
いつのものように患者さんを眠らせて、右手を口の中に入れ、クロスフィンガーで人差し指に力をかけたその瞬間。
 
ピーン・・


飛んでいきました。右の上切歯が。綺麗に穴があいた歯茎から、出血はほとんどなし。
言ったのに・・・ぐらぐらしてる歯はないって言ったのに・・・
それ以降、頭の下に右手で挿管しています。まあどっちの方法にも慣れた方がいいかなあと思っています。
研修医終わりたてのころ、「この患者さんの歯は動揺がひどいから、トラキライトで挿管しよう!」と思い、挿管し終わって電気をつけたら、見事に抜けて口腔内に落ちていたこともありました。余計あぶない浅知恵でした。
どんな場合でもこれ1種類でOKという挿管の方法は無いですね。
だけど、やっぱり研修医はクロスフィンガーがいいんじゃないだろうか。だって基本だし。