家族水入らず

手術室を出てPACU(回復室)に入ると、ベビのバイタルをとる時以外は、ずっと私かオットが抱っこしていました。まだスパイナルが効いていて足が動かせないんだけど、ベッドを起こしてもらって、看護師さんに指導してもらいながら初授乳。いきなりおっぱいに吸い付いてくるベビの本能にびっくり。ここには2時間ほど滞在し、その後Mother & Baby Unitという病棟に移動しました。
病院に限ったことではないですが、アメリカはとにかく室内の設定温度が低いです。薄い毛布とタオルをかけられただけで、私も若干寒かったのですが、そのうちに横のクリブに置かれたベビの体温が下がってきました。看護師さんが私のガウンを脱がせて、ベビもほとんど裸にして、「お母さんの体温が一番いいからあっためてあげて」と胸の上に直接ベビを乗せて毛布をかけてくれました。カンガルーケアってやつ?
ベビはぐっすり。私もぽかぽか。1時間ほどするとベビはすっかり温まりました。私はちょっとハイになっていたのか、特に眠くもならず、そばについていてくれたオットと話したり、ベビの写真を撮ってもらったり。手術3時間後には氷をなめて、ジュースを飲むことができ、夜はチキンスープヌードルを食べました。
術後鎮痛ですが、スパイナルは2時間ほどで切れたけど、モルヒネのせいか特に痛くもならず。看護師さんがIVでケトロラクを打ってくれてたようです。8時間ほどすると安静にしていてもかなりじんじんと傷がうずいてきましたが、ここでイブプロフェンだかアセトアミノフェンをどっさり飲まされ、スパイナルから12時間後にはオキシコドンを10mg飲まされました。何時間か置きにケトロラクも繰り返されました。
一番強力だったのはオキシコドンで、痛みが消えて、すべてがどうでもいい多幸感に襲われ、自分は何て幸せなんだろうと考えながらひたすらぼーっとしてました。
ここでひとつ誤算。てっきり夜はベビをナーサリー(新生児室)に連れてってもらって、オットは帰宅して、自分もゆっくり休めるもんだと思い込んでいたのですが、看護師さんが申し訳なさそうに、「今日はスタッフが足りないから、新生児を診る人がいない。だからナーサリーには連れて行けない。このまま病室に置いておくから、だんなさんは帰らないで奥さんを手伝って欲しい」と言われ、結局一晩中ベビは同室、オットは寒い中簡易ベッドで就寝。ベビが泣くと、オットに声をかけてクリブから抱きあげてもらい、おっぱいを含ませたり暖めたり。オムツだけは時々バイタルを測りに来る看護師さんや看護助手さんに手伝ってもらい…。時々抱っこしながらうつらうつらできただけで、ほとんど休むことはできませんでした。その代わり鎮痛剤はNSAIDが6時間おき、オキシコドンは3-4時間おきにしっかり持ってきてくれました。スタッフが足りなかったのは、この日がアフターサンクスギビングだったせいではないか(日本では正月のような感じの連休中)…とオットが推察。そうかも。
 
次の日の朝は早速尿道バルーンを抜かれ、トイレ歩行。はじめは恐怖心があったけど、何とか痛みも自制内で歩くことができ、午後は容赦なくシャワーを浴びさせられました。シャワーはかなりつらかったです。
続く。