食料輸出国に住むということ

渡米前の思い込み
アメリカは、食べものがまずい
この言葉が誤りだったことを、1年以上住んでしみじみと感じている。
確かに外食の味付けは日本とかなり違うし、お魚は高くてあまり新鮮ではない。ファーストフード店の多さはあきれるほど。スーパーではあまーいドーナツが箱売りされているし、冷凍食品(マカロニ&チーズなど)も豊富で、こりゃあ肥満大国になるわけだわ、と思う。
だけど、ローカールフーズのスーパーやファーマーズマーケットには、あるわあるわ、ぴかぴかの、地元で取れた新鮮なお野菜・果物たち。
日本では味わえなかった、野趣あふれるトマト・苺・ブルーベリー・メロン。肉厚の葉が元気一杯のキャベツ。セロリやにんじんは、甘味も歯ごたえも、日本のものとは全く違う野菜のようだ。渡米したばかりの時に、にんじんだけを昼食にかじっている人を何人も見て、なんで?って思っていたけど、こっちのにんじんは確かにそのままいける。
日本のほうが美味しいなあ、と感じるのは、たぶん日本人が知恵を絞って品種改良しているりんご・桃くらい。
以前両親が遊びに来たときも、野菜や果物が「昔の味がする」と感心していた。
短期間の旅行で、外食だけして帰ったら確かに食べ物は美味しくないけど、こちらに住んで、素材を買い、自分で手をかければとても豊かな食生活がおくれるとおもう。

健康の秘訣は、住んでいる場所の近くで取れた、旬のものを食べることだという。国土が狭く、食料を輸入にたよる日本では年々難しくなっていることだ。
帰国したら、アメリカの美味しい野菜たちを懐かしく思い出すことだろう。日本でもおいしいものが食べられるように、自国の農業を大切に守っていかなければ、と思う。