プリズン・ガール

プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月 (新潮文庫)

プリズン・ガール―アメリカ女子刑務所での22か月 (新潮文庫)

NYに普通に留学していた女の子が、ある日突然FBIに逮捕→有罪となり、22ヶ月間刑務所で服役した実体験経験を綴った本。
その罪というのは、組織的麻薬犯罪の幇助。詳細は、NYで出来た恋人が実はマフィアであり、彼女のクレジットカードを使って麻薬を発送していた・彼女のアパートに麻薬を隠していた(いずれも彼女自身は全く知らないこと)等。
これって、ものすごく怖い話だと思うのだけど… 
描かれる刑務所生活が、かなり自由で生き生きとしていて、こんな言い方は不謹慎だけど、わくわくしながら一気に読んでしまった。のめりこんでしまったのか、ようやく出所して別の刑務所に移り、1ヶ月ほど待たされた挙句に飛行機に乗って日本に帰るくだりでは、こちらもぐったりと疲れた。
一見文体がライトだけど、ものの見方がドライでフェアで、かなり頭の良い人だと思う。一見理不尽に思える自らの罪も「マフィアの男を愛したことが、罪と言われればそうなのだろう」と受け入れてしまう。
アメリカの闇を感じさせるエピソードの数々も一読の価値がある本。