自壊する帝国

自壊する帝国 (新潮文庫)

自壊する帝国 (新潮文庫)

佐藤優さんの、ソ連崩壊の回顧録です。駆け出し外交官時代から、人脈の構築、情報戦まで、全て実際の話なので、読みながら本当に興奮させられます。実際にソ連が崩壊したときの驚きは覚えていますが、何しろ中学生だったので、全く事情は理解していませんでした。ああこういうことだったのか、と納得しながら読みました。
この方は鈴木宗男事件で起訴休職から失職されたわけですが、事件に巻き込まれずに外交官として活躍し続けていたらどれほど日本のためになったことでしょうか。何しろ「戦後最強の外交官」の異名を持つ人です。でもそうするとこの人の本は読めない…それは困る…。そんなことを思いながら読了しました。
本筋から外れますが、料理や食事風景の描写がとても上手で、池波正太郎並みにお腹が空く本でした。
回顧録はあと3冊は書く予定とのことなので、楽しみに待ちたいと思います。