説教

麻酔の説明の後、合わせて合併症のリスクも説明する。が、患者様から「不安にさせるようなことを言うな!プロなんだから何も心配しないで任せてくださいって言いなさいよ!」と怒鳴られることがごくたまにある。
不安にさせて申し訳ありませんでしたが、こちらもご説明する義務がありますので、と言って説明を終えることになる。
病気になってすでにつらい思いをしている患者さんの気持ちも推し量るべきではあるが、「もうこれ以上怖いことは話すら聞きたくない。そんな話をするあなたはひどい人間だ」ではこちらもつらい。医療は100%安全ではないし、病気は100%は治らない。説明義務というものもあるのだから。
大切なご自分の身体なのだから、病気の知識、医療の利益と危険性を理解して、納得して治療を受けていただきたいのだ。だけどこういった方にまで納得いただけるまで説明をしている時間を確保するのは難しい。
 
ただの人間として愚痴を言うなら、怒鳴り散らす人はあんまり好きじゃない。
「プロと言うものは」とプロでない人間に説教されるのも片腹痛い。