妊婦たらいまわし死産報道2

S.Y.'s Blog経由。

私も、この方にコメントをもらいに行くセンスが信じられないけど、こんなにわかりやすく書かれた過酷な勤務状況を見てこのコメントか、と。どう見ても対応は無理でしょう。気の毒だけど、お立場的には思考能力が停止しても仕方ないかもしれない。やはり記事を書いた人間の判断力が狂っているとしか思えない。
しかし一般の方の書き込みや関連ブログ記事を見ると、やっぱり「それでも何とかすることはできたはず。それが医師の責務なのだから・・・。人間性の低下がうんぬん」という意見が多い。
あるていど正義感に駆られて書いているんだろうけど、一言で言うと、自分で出来ないだろうことを人に求める人が多いですね。自分に優しく他人に厳しいのは国民性なのだろうか。
「今目の前にいる患者さんの対応に追われていたとしても、朝から翌日夜まで一睡も出来ないほど過酷な勤務状況だったとしても、この(かかりつけ医もいない無責任な)妊婦さんと胎児の命を助けるべきだった!」と。
医師の立場を想像出来るところまでいかなくても、自分が今まさに「目の前にいる患者さん」だったら? 自分と胎児の命がかかっていても、後から来た救急車を優先すべきだと主張してくださるんでしょうね。

奈良県立医大の声明
以下、記事。
http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/tokusyu/toku1/mt20070901kk03.htm

奈良県橿原市の妊娠中の女性(38)が相次いで病院に受け入れを断られ、死産した問題で、3度の受け入れ要請があった県立医大病院(橿原市)は31日、同病院のホームページ(HP)で消防とのやりとりなどの経緯や当直医の勤務状況などを公表、院長名で「誠に遺憾」とした上で、「当直医は過酷な勤務状況だった」とするコメントを掲載した。昨年8月、転院拒否のケースで死亡した同県三郷町の高崎実香さん(当時32歳)の遺族は「この1年、何も進んでいない。今後、どうするのかを真剣に考えてほしい」と訴えた。

 HPには、当直日誌や当直医らから聞き取りした28日午後7時6分〜29日午前8時半の状況を分単位で記載。最初の受け入れ要請があった時、当直医が「お産の診察中で、後にしてほしい」と事務員に返答したことや、緊急入院の患者が相次いだ状況、当直医2人が一睡もせず引き続き業務に就いたことを説明している。

 同病院によると、30、31日の2日間で、「どうして受け入れを断ったのか」など約50件の苦情が寄せられた。このため、病院管理課は「病院として見解を発表し、実態を分かってもらいたかった」としている。

 実香さんの義父、憲治さん(53)は「こんな後ろ向きのことをして何になるのか。言い逃れでしかない。これでは実香が報われない」と話した。


(2007年9月1日 読売新聞)